Lichtpuntje

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イベントレポート

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2014年3月4日(火) 19:00~21:00

蜂谷 潤 (はちや じゅん) / 一般社団法人うみ路 代表理事
第1回Lichtpuntje My Dream コンテスト優勝者

地域の想いをかたちに
~高知室戸岬から~

高知県の東の先端、室戸市でひとりの青年が地域活性化伝道師として奮闘中だ。岡山県で生まれ育ったものの、室戸市に魅了され、移住してまで地域活性化に貢献しているのが高知大学大学院生である蜂谷氏だ。蜂谷氏は室戸市のどんなところに魅力を感じ、なぜ起業という道を選択したのか。多くの地域活性化策が失敗に終わる中、学生ビジネスコンテストで最優秀賞を獲得した蜂谷氏は、地域の活性化をどのように定義し、なにが重要だと考えるのか。地域の人々の想いをかたちにしていく過程で、気づいたこと、そして失敗の数々を赤裸々に語っていただいた。

物足りぬ日々のなかで出会った室戸岬の暮らし

昨年10月にLichtpuntjeにて開催された「My Dream コンテスト」。5組の学生プレゼンターにそれぞれの「夢」を語ってもらったこのコンテストで、見事優勝に輝いたのが高知大学大学院蜂谷潤氏。今回のセミナーではその鉢谷氏を講師に、高知県室戸岬で取り組んでいる地域活性化事業についてお話しいただいた。
話の冒頭は「なぜ室戸岬なのか」。蜂谷氏は岡山出身。中国地方に育った自分が四国の大学に進学したのは「水産のことを学びたかった」からだという。特技は素潜り。「これが最高記録です」と画像で見せてくれたのは体長55センチの石鯛。海に潜り、銛で魚を突く。子どもの頃からこういった遊びが好きだった若者が水産を学ぶというのはごく自然なことだったのかもしれない。
「だけど、実際に大学に入ってみると楽しくないんですね」
授業に出るだけで手応えのない大学生活に物足りなさを感じていた。転機が訪れたのは大学3年の5月だった。
「車を手に入れて、県内のあちこちに行くようになったんです」
そこで出会ったのが室戸岬だった。浜に打ち上がっているテングサを見て興味が湧いた。漁港に行くと、大量の魚が水揚げされていた。岩場の海からは漁師が大量のトコブシを獲って上がってきた。水産の現場を見て、「これこれ」と興奮した。「こういう生活がしたい。残りの大学生活をここで送りたい」と思った。

テーマは「最大のハッピー」

大学のある高知市と室戸岬には距離がある。だが幸いなことに、室戸には海洋深層水を使って海藻の養殖に取り組んでいる研究室があった。そこに入った蜂谷氏は、アオノリやコンブの養殖に取り組むこととなる。ここで知ったのが地域の課題。室戸はアワビやトコブシなどの貝類の産地として知られているが、最近は海水温の上昇でエサとなるコンブが育たなくなっている。貝類が獲れなくなると、漁師はもちろん、民宿などの経営にも影響が出る。そこで蜂谷氏は海藻の養殖とともにアワビ、トコブシの養殖にも挑戦する。ミネラルを含んだ海洋深層水は海藻の養殖に最適。使用後の海水はそのままアワビの養殖に使う。そしてアワビの糞で栄養素が増えた海水は、ふたたび海藻の養殖に使える。そうやって研究をつづけていくうちに、コンブをエサにしたアワビが「最初から昆布締めにしたみたいにおいしい」ことを発見した。これを地元の漁師さんたちに事業化してもらうといいのでは。そんなことを考えているとき、たまたま大学の掲示板で「学生ビジネスコンテスト」の募集を見た。試しに応募してみると、全国大会で優勝することができた。地元の新聞などで大きく取り上げられたことで、まわりの人たちが応援してくれるようになった。こうなると後には引けなくなる。人にやってもらうつもりでいた事業を自ら行い、室戸に移住することにした。安い土地をさがし、仲間とともに工場を造った。消防団に入るなど、地域の人たちと交流を深めた。すると地元の抱える問題が次々と見えてきた。驚いたのは1日に100トンも揚がるメジカ(マルソウダガツオ)。鮮度の低下が早く、大量にとれすぎるこの魚は、労働力の割に低価格で流通する魚だった。もうひとつ「衝撃的だった」のは、親切にしてくれる隣の家のおばちゃんが大阪に出稼ぎに行くという話だった。豊かに見える地元が、実は経済的には疲弊している。そこで蜂谷氏が考えたのはメジカの加工=商品化だった。大量に獲れるこの魚が仕事になればおばちゃんも大阪に行かずに済む。そう考えると「わくわくしてきた」。
「みんなでハッピーになれるよう、絶対形にしてやるぞ、と思ったんです」
商品化といっても普通に考えれば、干物か乾物がいいところ。しかし東京のような大都市に出荷するのに、これでは競争力が足りない。そこで「室戸ツアー」を開催し、消費者となる人々から意見を聞いてみた。賛同してくれる東京の飲食店には魚を直送した。そうするうち、「コンフィにするといいのでは」というアイディアが寄せられた。フランス料理のコンフィは、素材を油に浸した料理。長期間の保存が効く上、パスタや炊き込みごはんなど、さまざまな料理に応用できるので商品化にはもってこいだった。そこでこれを「地元のおばちゃん」たちと一緒に加工。ネットや店舗での販売を開始し、小さいながらも室戸に新しい産業をつくった。
「嬉しかったのは、おばちゃんたちとこのコンフィを使ったレストランに行ったとき。みんな自分の作った物が料理になって出て来るのをじーんとした顔で見ているんです」
目指すのは、金儲けではなく「最大のハッピー」。仲間との手作業は「楽しくて楽しくて仕方がない」。自分の「わくわく」に人の「思い」が加われば、無限にエネルギーが湧いてくる。メジカのコンフィはそんな成功事例となった。

人と人をつなぎ、室戸の魅力を発信する

現在はメジカの他に養殖アワビも商品化。さらに赤牛や芋、柑橘類、テングサなど、地元の特産物に付加価値をつけて販売したいと考えている。コツは「横のつながり」。それまで違う世界にいた人同士が出会えば、思わぬ「化学反応」が起きる。「My Dream コンテスト」で発表したバスボムづくりも、病院と農家と化粧品会社の人たちが話し合うことで生まれた商品だ。病院に来る高齢者の人たちができる手作業の仕事はないか。そこで出たアイデアが、農家が提供する柑橘類の皮でバスボムを作ることだった。
こうしたなか、昨年3月には社団法人「うみ路」を設立。5月には消費者と生産者をつなぐ「室戸まるごとBBQ」を開催した。
「地域活性化と言いますが、実は自分がおもしろいと思うことをやってきただけなんです」
自分の役割は「室戸の魅力を外に発信すること」。最近は月に一度は東京にも出ている。人と人をつなげば「自然発生的に何かが起こるし」。
「『うみ路』の『うみ』は〈海〉と〈生み〉。『路』は路地のような細い道。この細い道を横につないでいろんなものを生み出していけたらいいなと考えています」
これといった「夢」はないと語る蜂谷氏。「自分がわくわくすることをするとまわりの人がハッピーになる。その軸だけは失わずにやっていきたいですね」

講師紹介

蜂谷 潤 (はちや じゅん)
蜂谷 潤 (はちや じゅん)
一般社団法人うみ路 代表理事
第1回Lichtpuntje My Dream コンテスト優勝者
1987年岡山県生まれ。2006年高知大学農学部栽培漁業学科入学。大学3年生の夏、高知県室戸市を訪れたことをきっかけに、室戸市の温かい人々や自然環境に感動し、魅了される。それ以降、室戸市へ通い続け、豊かさに触れる一方、や地域資源が有効に活用されていないことなどに気づく。2009年高知県室戸市の地域資源を活用したビジネスプランを提案し、四国経済連合会会長賞とビジネス最優秀賞を受賞。同年、室戸市移住を決意し、その後は、同市の漁師や地域のお母さん達の想いをかたちにすべく、仕事作り、地域内外の交流イベントなど様々な活動を手掛ける。2013年3月、一般社団法人うみ路設立。現在高知大学大学院黒潮圏総合科学専攻。

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