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イベントレポート

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2014年6月17日(火)19:00~21:00

堀内 克彦(ほりうち かつひこ) / 宿坊研究会代表

宿坊でできる7つの修行

みなさんは「宿坊」をご存知だろうか? 「宿坊」とはお寺や神社の宿泊施設であり、日本文化と歴史が味わえる「最強の宿」。しかし、あまり知られていないためか多くの誤解を受けていることも事実。例えば、「宿坊はお坊さんしか利用できない」、「お寺での座禅や写経は非常に厳しい」、「精進料理は貧相で物足りない」など。しかし、実際には宿坊は誰でも利用でき、座禅や写経は想像しているほど厳しいものではない。そして精進料理は一流料亭にも負けない美味しい「おもてなし料理」だ。今回は15年にわたって宿坊泊まり歩きの旅を続ける宿坊研究会代表の堀内克彦氏をお招きし、初めての方でもできる「宿坊での修業体験」についてお話しいただいた。

江戸時代、庶民の旅を支えた宿坊

宿坊研究家・堀内克彦氏が最初に宿坊に泊まったのは大学時代のこと。冬に京都の妙心寺の宿坊に部屋を取った。
「最初はお寺の施設というから寒いんじゃないか、宿坊はお坊さんのための施設なので利用できないのではないか、と想像しながら行ったんですね」
だが、案内された部屋は炬燵の置いてある快適な空間だった。夜、外に出ると、そこには観光で訪れる昼間とは全く違う寺の姿があった。
「重要文化財の建物が月明かりに照らされていてとてもきれいだったのです。あ、これっていいなと思いました」
以来、宿坊巡りの旅が始まった。気が付くと、興味本位ではじまった旅は「人生を変える寺社巡り」というテーマ付きの旅に変わっていた。サイトで情報を発信するうちに注目を集め、「宿坊研究会」を立ち上げた。各地の宿坊と交流し、寺社好きの男女を集めた寺社コンを企画したり、本を書いたり、講演をする身となっていった。今回のセミナーはそんな堀内氏に、平安時代に成立したという日本独特の宿=宿坊の魅力について語っていただいた。
宿坊とは寺や神社の境内、またはその近くにある参拝者のための宿泊施設のこと。平安時代に最初にこれを利用したのは、熊野詣でや伊勢参りに出かける上皇や公家だった。それが爆発的に増えたのが江戸時代。経済的に安定し、街道が整備されたこの時代、旅は庶民のものとなった。目的地は寺社。お伊勢参りはもちろん、人々は御利益を求めて各地の寺社へと旅した。「寺社のファンクラブ=お参り団体」である「講中(こうちゅう)」も組織された。神奈川県の大山寺は関東一円に70万軒の信仰者を持ち、成田山新勝寺の成田講は江戸の人口の10分の1が入っていた。当然、宿坊も隆盛を極め、伊勢神宮の周辺には最大で800軒もの宿が軒を連ねていたという。
「それが明治になると廃仏毀釈で廃れてしまったんですね。昭和に至るまで宿坊は苦境に立たされていました」
その宿坊がふたたび脚光を浴び始めたのは最近のことだ。

「宿坊クイズ」で全員にプレゼント

「現代の宿坊は〈日本の心を伝える宿〉として注目を集めています」
全国各地の宿坊では、座禅や写経、精進料理など、寺社ならではのものが体験できる。これに魅力を感じた堀内氏のような人々が宿坊を目指すようになった。現在残っている宿坊街は、山形県の出羽三山や長野県の善光寺、戸隠、東京都の御岳山、神奈川県の大山、山梨県の身延山、和歌山県の高野山、それに京都や四国遍路など。国内全体では約500軒の宿坊が今も宿泊者を迎え入れている。
ここで参加者全員で「宿坊クイズ」に挑戦。三択による勝ち抜き形式のクイズは、「精進料理の材料に使えるものは?」、「座禅のできる宗派は?」といった比較的簡単な内容から始まって、ふるいをかけるように「神様の数え方は?」、「般若心経は全部で何文字?」、「善光寺の山号は?」、「戸隠神社に祀られている神様は?」、「高野山の人口に占めるお坊さんの割合は?」といったふうに難易度を上げていく。最後まで残ったのは4名。この4名から参加者全員に、このセミナーに合わせて全国の宿坊から送られた菓子類やいやし地蔵、教本カバー、お香、におい袋、紙風船などがプレゼントされた。

宿坊ではさまざまな「修行」が体験できる

後半のテーマはセミナーのタイトルでもある「宿坊でできる7つの修行」。まず1つめは「座禅」。これが体験できるのは曹洞宗と臨済宗、それに臨済宗に似た黄檗宗(おうばくしゅう)の3つ。曹洞宗は「黙照禅(もくしょうぜん)」。これは「壁に向かって黙々と座る」のが特徴で、一方の臨済宗は人と人とが向き合って座る「看話禅(かんなぜん)」。有名な一休禅師のとんちのような禅問答があるのは臨済宗だ。いずれの座禅もリズム呼吸が心を落ち着け、鬱病の予防などに効果があるとされている。2つめは真言宗の瞑想法である「阿字観(あじかん)」。目の前に「阿字観本尊(あじかんほんぞん)」と呼ばれる掛け軸を置く修行は、座禅が無心に還るものなのに対し、大日如来と一体になって心の中を良いイメージで満たすものだ。3つめは「写経」。般若心経の場合だと、278文字に費やす時間は30~90分。これは脳のトレーニングに大変効果がある。4つめの修行は仏様の絵を描き写す「写仏」。こちらも写し紙をなぞる形で描いていくので誰でも楽しんでできる。5つめは宿坊の目玉である「精進料理」。肉や魚、「五葷(ごくん)」と呼ばれる野菜(ニンニク、ニラ、ネギ、アサツキ、ラッキョウなど匂いの強い野菜)を使わない料理は、「喜心=心から喜んで調理すること」、「老心=自己を忘れて他に尽くすこと」、「大心=偏りなく、静かな一定の心で調理すること」を心構えとして作られる。食す方もまた、「五観の偈」という心構えで向き合い、「日常生活の大切さ」や「命を頂くありがたさ」、「食べることへの感謝」を学ぶ。定番料理は胡麻豆腐に擬製鰻、精進揚げなど。精進料理というと質素、一汁一菜といったイメージだが、実は遠路やって来る参拝者をもてなすための料理。宿坊で供する精進料理は驚くほど華やかなものが多い。6つめは黄檗宗の寺に伝わる中国風の精進料理である「普茶料理(ふちゃりょうり)」。特徴は胡麻油を使った料理と大皿で出すスタイル。大勢で食べるのに適した料理だ。そして7つめの修行は「滝行」。自然や神様と一体になる荒行は、まさに修行そのものだ。
「他にも法話や作務、五体投地、四国遍路、修験道体験、断食など、体験できる修行はいろいろあります」と堀内氏。また、宿坊の中には飲酒が可能な場所も。伊勢神宮の「白鷹」や山梨県の大善寺ワインなど、寺社によっては御料酒や名物の酒類を味わうことができる。こうした「修行」が体験できる宿坊は話題性が強く、地域活性の切り札にもなる。事実、埼玉県秩父市の大陽寺(たいようじ)などは廃寺寸前だった山中の寺が宿坊を始めるや大人気となり、今では地域を代表する観光スポットとなっている。
「人生で大切なことはすべて宿坊が教えてくれた」、そう話す堀内氏は、座禅からは「時間の大切さ」を、写経からは「心が無秩序であること」を、精進料理からは「噛むことの大切さ」を教わったという。
「宿坊は繰り返される日々の大切さを、そして仲間とつながる楽しさを教えてくれました」
貴重な体験のできる宿坊は「人生を変え」、「人類を変え」る可能性を秘めている。堀内氏の「夢」は活動を通じ「宿坊を日本語から〈シュクボウ〉という世界の共通語にすること」だ。 

講師紹介

堀内 克彦(ほりうち かつひこ)
堀内 克彦(ほりうち かつひこ)
宿坊研究会代表
「人生を変える寺社巡り」がテーマの寺社旅研究家。宿坊研究会・縁結び神社研究会・お守り研究会を運営。参加者千人を超える寺社旅サークルや宿坊サミット、寺社好き男女の縁結び「寺社コン」なども手掛ける。お坊さん向けお寺活性の講師としても活躍中。宿坊研究会のwebサイトは2006年AllAboutの「スーパーおすすめサイト大賞」で審査員特別賞を受賞。著書に『宿坊に泊まる』 (小学館文庫)、 『恋に効く!えんむすびお守りと名所』 (山と溪谷社)などがある。

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