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イベントレポート

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2014年8月19日(火)19:00~21:00

野田 隆(のだ たかし) / 旅行作家

鉄道旅行の楽しみ方
~ローカル線めぐりを中心に~

鉄道を楽しみながら旅行をすることが一般的になり、いわゆる「乗り鉄」という名称も定着してきたいま、老若男女を問わず多くの人が鉄道の旅を楽しんでいる。しかし、ローカル線を使って旅行をする場合には、ある程度の鉄道知識やノウハウを知らないと、鉄道の乗車方法などで戸惑ったり、運行スケジュールの変更により希望の列車に乗れずにがっかりしてしまうことも。今回は旅行作家の野田隆氏をお招きし、日本国内のローカル線の楽しみ方や人気の観光列車から知られざるローカル線の魅力について、同氏が撮影した写真や時刻表を交えながらお話しいただいた。

ローカル線を楽しむには「下調べ」を

野田隆氏が最初に紹介してくれたのは、今年の春からJR釜石線を走り始めた『SL銀河』。花巻駅と釜石駅を結ぶこのイベント列車は、東北の復興事業とあいまって大人気だという。
「いわゆる『鉄ちゃん』から見ればそうでもないもしれませんが、『SL銀河』のようなイベント列車というのは、普通の人が鉄道を楽しむにはすごくいいものだと思います」
最近話題のイベント列車が運行されているのは、地方のローカル線が多い。車窓からの景色がよく、旅情を味わえるローカル線は楽しい乗り物だが、反面、本数が少なかったり、周辺には何もなかったりと不便な点も多い。「昔ながらのクロスシートを期待してみたら、通勤電車と変わらないロングシートでがっかり」などということもある。だから「ローカル線に乗るときは、ある程度、下調べをした方がいい」。今回のセミナーでは、そんなローカル線旅行の初心者に向けて、全国の魅力的なローカル線について、蒸気機関車やレストラン列車などのイベント列車を中心に紹介。人気の鉄道旅行がテーマとあって、会場は満杯となった。
『SL銀河』が走る釜石線は、民話の故郷である遠野や、宮沢賢治が『銀河鉄道の夜』のヒントを得ためがね橋などがある観光に適した鉄道だ。客車を引くのはC58型蒸気機関車。土曜日の朝に花巻を出る列車は、夕方前には釜石に到着。そして、翌日曜日に花巻駅に戻って来る。その日のうちに往復しないのは「復興事業で釜石に泊まってほしいから」だ。おもしろいのはその運行形態。時刻表を見ると、花巻を出た列車は、後続の快速に遠野で追いつかれる。これは「SLは乗るだけでなく走るところを見るのも魅力的」という鉄道ファンの心理にうまく応えたダイヤ編成だという。
「例えば、『SL銀河』のひとつ前の列車に乗ってめがね橋のある宮守という駅で下車する。ここで橋を渡る『SL銀河』の写真を撮影してから、次に来る快速に乗る。すると遠野駅で追いついて、そこから『SL銀河』に乗ることができます」
速いだけが列車の魅力ではない。『SL銀河』の遠野駅での停車時間は約1時間。乗客は遠野駅周辺なら観光をすることができるし、ホームで行なわれるイベントも見物できる。大正ロマン風に改装された車内にはラウンジやサロンなどのフリースペース、プラネタリウムなどもあってゆったりと過ごせる。問題なのは大人気のためになかなか席が取れないこと。しかし、遠野から釜石までの区間だけならば切符を購入できることがある。こういった情報は野田氏のような専門家に話を聞いたり、ネットなどで情報を調べたりすると手に入る。なかでも時刻表を調べるのは基本中の基本だ。
「最近は読みやすい大きな文字の時刻表も出ています。ぜひ活用してください」

人気沸騰のレストラン列車

次に紹介されたのも東北のイベント列車。青森県の八戸駅から岩手県の久慈駅を結ぶJR東日本の八戸線『TOHOKU EMOTION(東北エモーション)』は3両編成のレストラン列車。食材はすべて地元のものを使用。海に向かった座席に座って味わうコース料理はJR東日本のツアーで味わえる。沿線では地元の人たちが大漁旗を振って列車を歓迎してくれる。終点の久慈駅はNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台となった町だ。こちらも大人気で「ツアーの予約は半年先まで一杯」だという。こんな具合に、乗ってみたいけれどなかなか乗ることができないのがイベント列車。しかし、さがしてみれば穴場的な列車もある。
「おすすめは『しなの鉄道』の観光列車『ろくもん』です」
第三セクターの『しなの鉄道』は長野新幹線が開通する前の信越本線。軽井沢駅から上田駅を経由して長野市の篠ノ井駅までを結ぶ在来線には、フランス料理や和食が楽しめるレストラン列車『ろくもん』が運行されている。軽井沢の有名レストランや小布施の名店が監修するコース料理はなかなかのもの。和風の個室に仕切られた車内はJR九州のデザイン顧問である水戸岡鋭治氏のデザイン。こちらは現在のところ席に余裕があるので狙い目という。新幹線で朝、東京駅を出れば、ちょうど昼食の時間の列車に間にあうという便利さも嬉しい。
速さが第一の新幹線でも最近はその車両を使ってのイベント列車が登場している。山形新幹線の車両を改装した『とれいゆつばさ』は福島駅から新庄駅までを走る「足湯つきの列車」。山形の地酒や果物を味わえるお座敷列車は新しい形の新幹線旅行を提案してくれている。

鉄道旅行は「健康にいい」

後半は東京から比較的近い鉄道を紹介。富士山麓を走る富士急行は、京王線や山手線、小田急ロマンスカーなどの旧型車両を走らせていることが話題となっている。鉄道の車両は在来線で1両1億円、新幹線だと1両2億円。高価な物だけにローカル線の中にはこうした他線で走っていた旧型車両を再利用している会社もある。富士急行の場合、京王線の旧型車両をあえて当時のままの塗装で走らせている。これがファンには人気だという。
ローカル線の魅力のひとつは「何もないところ」と野田氏。茨城県ひたちなか市の勝田駅と阿字ケ浦駅を結ぶ『ひたちなか海浜鉄道』はわずか9駅しかないローカル線。走っているのは鉄道ファン好みのディーゼルカーだ。沿線の景色は広大で「まるで北海道のよう」。途中の那珂湊駅には新鮮な魚が手に入る『那珂湊おさかな市場』がある。この他にディーゼルの路線で興味深いのは栃木県を走るJR東日本の烏山線。ここには日本初の蓄電池駆動電車の『アキュム』が運行されている。
昔に比べれば廃線で数が減った日本のローカル鉄道。しかし最近では鉄道ファンが市民権を得て、人気が高まっているのも事実。こうした鉄道旅行を楽しむには「ゆったり過ごせる列車をさがす」、「青春18きっぷなどで旅行を安くあげる」、「用もないのに列車に乗る」といった心構えや工夫がほしい。むろん、そうは言っても忙しいのが現代人。それでも出張のついでの「エアポケットのような時間」に列車に乗ってみたり、時刻表を開いて「仮想(机上)旅行」を楽しむことはできるはずだ。そして何より「車と違って歩くことの多い鉄道旅行は健康にいい」。
セミナーの最後は質疑応答。「いちばん好きなローカル線は」という質問に対し、野田氏の答えは「北海道の鉄道」。日本離れした北海道の景色はやはり素晴らしい。野田氏の「夢」は「日本国内の鉄道旅行を完了することと、ヨーロッパの鉄道に乗ること」だ。
「みなさんも鉄道を楽しんで豊かな人生を送ってください」

講師紹介

野田 隆(のだ たかし)
野田 隆(のだ たかし)
旅行作家
1952年名古屋生まれ。早稲田大学大学院修了。都立高校で教鞭をとった後、早期退職して旅行作家に転身。日本やヨーロッパの鉄道旅行を中心に著作を発表。テレビやラジオの放送出演、総合情報サイトAll Aboutの鉄道コーナーの記事、交通新聞社「文字の大きな時刻表」巻頭カラーページの連載執筆中。主な著書に、「テツはこんな旅をしている」(平凡社新書)、「定年からの鉄道旅行のススメ」(洋泉社新書)、「出張ついでのローカル線」(メディアファクトリー新書)などがある。日本旅行作家協会理事。公式サイト

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