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イベントレポート

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2015年2月12日(木) 19:00~21:00

真鍋 真(まなべ まこと) / 国立科学博物館 グループ長

「最新恐竜学」入門
~今まで恐竜に関心がなかった方へ~

恐竜は完全に絶滅したわけではなく、一部は鳥類として現在も進化を続けていることや、羽毛や翼は恐竜の段階で、すでに現在の形に進化していたことを聞くと、驚く人がいるのではないだろうか。2014年7月、新種の恐竜クリンダドロメウスがシベリアで発見されたことが『サイエンス』で発表され、これにより全ての恐竜は最初から羽毛をもっていたかもしれないという可能性が出てきた。同じく7月に発表された始祖鳥の新標本は、始祖鳥が後ろ足にも大きな翼をもっていて、翼は飛ぶためだけに進化したわけではないことを示唆する。今回は、国立科学博物館グループ長の真鍋氏をお招きし、毎月のように恐竜に関する新しいニュースが注目された2014年の最新の恐竜研究成果を総括していただきながら、近未来の恐竜研究の可能性についてお話しいただいた。

カラスもハトも先祖は恐竜

セミナーの冒頭はクイズ。画像で紹介されたのは、左右の翼を広げると10メートルという「史上最大」の翼竜、ケツァルコアトルス。真鍋真氏が出したクイズは7000万年ほど前に存在していたこうした翼竜が恐竜か否かといったもの。答えは「恐竜じゃない」。

「昔の図鑑などでは空飛ぶ恐竜などとアバウトに紹介されていましたが、翼竜や海にいた首長竜などは爬虫類ではあるけれど分類上は恐竜ではありません」

爬虫類は、大きく分けるとトカゲやヘビなどの鱗竜形類とワニやカメなどの主竜形類に分かれる。このうち首長竜はワニやトカゲの仲間、翼竜は主竜形類ではあるが恐竜とは別のグループに属している。ポジションとしては「ワニと恐竜の間」。むしろ恐竜に近いのは鳥。始祖鳥に始まる鳥類が誕生したのは約1億5000万年前。もともとは恐竜だったものが鳥へと進化したものが、今も身近に見られる鳥類だ。カラスもハトもスズメもその祖先を辿ると恐竜。恐竜自体は絶滅したが、途中で鳥類へと枝分かれしたものは今も生き延び繁栄しているのである。

恐竜が誕生したのは約2億数千万年前の三畳紀。それ以前、魚から両生類が生まれ、やがて爬虫類や哺乳類へと枝分かれしたのは約3億年前。最初に繁栄したのは哺乳類の系統だったが、2億5000万年前の火山活動による大量絶滅で、地球の生態系は「一度リセットされる」。その後に繁栄したのが爬虫類であった。カエルなど両生類の卵は水辺でしか産むことができないが、乾燥に強い爬虫類の卵は陸上のどこででも産める。なかでもシェアを伸ばしたのが恐竜。彼らは「がに股腕立て伏せ」状態の他の4つ足歩行の爬虫類と違い、「すくっと立って2本足歩行となった」ことで、機動力が格段に増して勢力を拡大した。当時の地球の陸地は「パンゲア」というひとつの大陸であったことも味方した。

「そういう意味で恐竜はいいタイミングで登場したので、一気に生態系の中心になることができたんです」

恐竜は最初から羽毛をまとっていた

恐竜は6600万年前に隕石の衝突で絶滅するまでの間、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀を通じて地球の主役でありつづけた。草食恐竜には消化のための腸を長くするために4つ足に先祖返りしたものがいたし、一部には前述したように鳥になったものもいた。絶滅前には大型と小型に二極化。現在、発見されている種類は約1,000種類に過ぎないが、その数はまだまだ増えていくと考えられている。現に今も1年に約50種の新種が報告されている。計算すると週に1種は新種が見つかっていることになる。こうした発掘調査の中で見えてきたのが「恐竜には羽毛や翼があった」という事実。ここでは恐竜学の基本の他、自身も研究の一線に立っている真鍋氏にそうした恐竜学の新たな発見のいくつかを解説していただいた。

「最近発見された新種でまず重要なのはシベリアで見つかったクリンダドロメウス。これは羽毛に覆われた全長1.5メートルほどの恐竜。想像図を見ると半分は羽毛でなく鱗に覆われているというおもしろい姿をしています」

クリンダドロメウスの何が重要なのかというと「鳥盤類」である点。恐竜は進化の初期段階で「鳥盤類」と「竜盤類」に枝分かれしている。このうち鳥に進化したのは「竜盤類」。羽毛を持つとされている恐竜の大半はこの「竜盤類」に属している。対して「鳥盤類」は「鳥」という字はついているが鳥には進化しなかったグループ。ところがこのクリンダドロメウスの発見により、鳥とは縁が遠い「鳥盤類」にも羽毛があることが確認された。

「つまり、恐竜は最初から羽毛を持っていたのではないかということになってきたんです」

ではなぜ羽毛を持っていたのか。考えられる答えのひとつは保温だ。恐竜はワニなどが変温動物であるのに対して、恒温動物に進化した。当時の地球は今よりはずっと温暖だったが、それでも夜間は冷える。体温を一定に維持するには「フリースやダウンジャケットのようなもの」としての羽毛が必要だったのかもしれない。動物が活発に動けるのは体温が36度程度のとき。餌の捕獲や天敵から逃げることを考えると動きの鈍い変温動物でいるよりは恒温動物でいた方が有利だ。羽毛を持つことはそうした進化の道を選んだ恐竜たちの工夫のひとつと考えるといいだろう。

「恐竜の色」、「雄雌の違い」、ニュースがつづく恐竜学

もうひとつ注目のニュースは長年「謎の恐竜」とされていたスピノサウルスの化石の発見。1912年に一度はエジプトで発見されていながら第二次世界大戦の戦災で焼失してしまったスピノサウルスだが、近年モロッコで発掘された複数体の化石からその全貌が見えてきた。全長約15メートル、ティラノサウルス以上の大型恐竜と言われているスピノサウルスの正体は「半水棲」という「へんな恐竜」。これも恐竜ファンにはたまらないニュースだったはずだ。

他にも長い間「手」しか見つかっていなかったため、長らく詳しいことが分かっていなかったデイノケイルスも、胴体部分の発見によって「アヒル口で魚を飲み込んで食べていた」という実態がわかってきた。さらに画期的なのは、これまではわからないとされていた「恐竜の色」が、まだ5種ほどではあるが電子顕微鏡によるメラニン色素の観察で判明したこと。そして同じく判別が難しいとされていた「雄雌の違い」も骨内部のカルシウムの蓄積量などから見えてきている。雌は卵を産むために産卵期にはカルシウムを骨の内壁などにためこむ必要がある。これを基準に見れば少なくとも産卵期の雌は特定できる。なかにはオヴィラプトルのように雄が雌にかわって抱卵をして卵を守っていたのではないかという恐竜もいる。だとしたら恐竜には高度な社会性もあったということになる。

「ダーウィンやそのブルドッグ(番犬)と呼ばれたトーマス・ハクスレーは、たとえ証拠がなくても先見の明で進化論を唱えました。今はその証拠である化石がたくさん出てくるいい時代です。でも恐竜についてはまだまだわからないことだらけ。これからもがんばって研究をつづけていかなくちゃなりません」

真鍋氏の「夢」は「なぜ小型の恐竜が生き残れなかったか、その理由を探ること」や「恐竜の声」を科学的に絞りこむこと。

「あとは多くの人にもっと恐竜好きになってもらいたい。恐竜について語り合える仲間が増えるといいですね」
 

講師紹介

真鍋 真(まなべ まこと)
真鍋 真(まなべ まこと)
国立科学博物館 グループ長
1959年、東京都生まれ。横浜国立大学教育学部卒業、アメリカ・イェール大学地質学地球物理学部修士課程修了、イギリス・ブリストル大学理学部地球科学科PhD課程修了。博士(理学)。1994年より国立科学博物館地学研究部に勤務し、現在は生命進化史研究グループのグループ長。恐竜など中生代の爬虫類、鳥類を研究対象にしている。写真は2014年3月にラオスで白亜紀の恐竜化石産地で撮影されたもの。

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