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2013 Oct.24
『世界は君を待っている!MBA留学とグローバルリーダーシップ』特別インタビュー Vol.2 後編

イノベーションで日本のベンチャーを変えたい!ベンチャーキャピタリスト・齋藤茂樹の「夢」

今年3月に出版された『世界は君を待っている!MBA留学とグローバルリーダーシップ』(中央経済社)は、「多くの人に世界中から集まる学生たちとディスカッションし、自分を磨き、グローバル人材としてはばたいてほしい」というMBA留学経験者たちの思いが込められた1冊です。

この特集では、著者=MBA留学経験者の方々にご登場いただき、「本では伝えきれなかった!」という熱い思いや「夢」について語っていただきます。第2弾となる今回のゲストは、MIT(マサチューセッツ工科大学)スローンスクールでMBAを取得された齋藤茂樹さん。後編ではMBA取得後のインターネット業界での経験、そしてベンチャーキャピタリストとしての現在の活動と未来への展望について語っていただきました。

聞き手:スルガ銀行Lichtpuntjeスタッフ 和智あゆ美

	『世界は君を待っている!MBA留学とグローバルリーダーシップ』特別インタビュー Vo2.・前編 イノベーションで日本のベンチャーを変えたい!ベンチャーキャピタリスト・齋藤茂樹の「夢」

MBA取得後はインターネット業界の最前線へ

齋藤さんインタビューの様子

和智1997年にMIT(マサチューセッツ工科大学)のスローンスクールを卒業された後はネットスケープに入られたんですよね。

齋藤自分がNTT在籍時代にやってきたテレコミュニケーションとインターネットって実は全然違うんですね。どうせなら新しいビジネスであるインターネットをやりたかった。それで紹介してくださる方がいたので面接を受けてネットスケープに入り、インターナショナルチームで働くというポジションを得ました。勤務地は東京。本当はアメリカに残りたかったのですが、当時の僕の実力だと向こうでやるにはやはり経験のあるテレコミュニケーションの仕事になってしまいそうだったので、日本に戻りました。当時はちょうどマイクロソフトがIE4.0を出してきたときで、かなり厳しい競争を強いられましたね。ネットスケープは結局、戦略を変更して最終的にはAOLやサンマイクロシステムと合併することになりました。僕はその戦略変更に取り組ませてもらいました。

和智日本ではちょうどこれからインターネットが普及しようという時代でしたね。

齋藤毎日、アメリカの本社と電話でやりとりをするんですけど、時差があるので当時はツーフェイスウォッチをつけていました。上司であるアメリカ人のGMはもともとアップルにいた人で、自分でベンチャーを立ち上げた経験もある人でした。現在はベンチャーキャピタリストとして実績を残しています。そういう、本当にあの時代をつくったアメリカ人たちとガリガリに仕事をしたというのはいい体験でした。でも経営の判断には関わらせてもらえない。これをやったらヤフーに勝てるとか思っても、それはできなかったんです。「はやく経営者にならないと」と気づいたのもネットスケープにいた頃でした。そうしたらデジタルガレージの創業者である林郁さんから「インターネットに強いパートナーがほしい」と声をかけていただいたんです。「アマゾンの戦略を日本仕様にカスタマイズしてeコマースを展開しよう」ということで。それでローソンさんと組んでコンビニを使ったサービスを開発したりしました。

和智ネットで買ったものを会社帰りなどに自宅の近くのコンビニで受けとるというサービスですね。時代を先取りした感じですよね。

齋藤1999年でしたね。手がけるのが早すぎて、広まるのに7年くらいかかりました。やることが早すぎると広まるにも時間がかかる。これは気をつけなきゃいけないことですね。それからは、NTTのブロードバンドの立ち上げとか、アマゾンが日本に入ってくるときの広告のプロモーションとか、銀行と組んでのエスクローサービス(取引の安全性を保障する仲介サービス)とか、いろいろなビジネスモデルを設計しました。そして1年で20億円くらいの売り上げをつくり、翌2000年の12月にジャスダックで株式公開しました。そのあとは赤字だった価格ドットコムに投資をして黒字に転換させました。こういう経験を6、7年間デジタルガレージで積んで、今は父が創業したSIPフィナンシャル・グループでベンチャーキャピタリストをやっている、というわけです。

イノベーションにはベンチャーキャピタルが必要

齋藤さんインタビューの様子

和智これからはデジタル通信情報化社会だとNTTに入社され、次にハイテクベンチャーを学びにMBA留学、そしてインターネット業界へ。ずっとイノベーションとベンチャーを追いつづけ、ベンチャーキャピタリストになられた。ベンチャーの経営者をつづけるのではなく、ベンチャーキャピタリストという道を選ばれたのにも理由があるかと思われますが。

齋藤アメリカと比べると日本のイノベーションシステムはかなり貧弱なんですよ。そこのミッシングピースというのがいくつかある。そうしたものをカバーしたり、自分から新しく作っていく、ということでベンチャーキャピタルを選びました。実はベンチャーキャピタルってお金を預かって運営するビジネスなので、そのボリュームが小さいと生活するのも大変だったりするんですよ。だったらベンチャー側の経営者の方がいいやって、いわゆるシリアルアントレプレナー(いくつものベンチャー事業を次々と立ち上げる起業家)になる人が少なくない。だけどイノベーションシステムにはベンチャーだけではなく、ベンチャーキャピタルも必要なんです。私の父もそういう問題意識を持ってこの分野に関わってきたので、これは息子である自分にとっても宿命みたいなものですね。ベンチャー企業側に行く人が6割だとしたら、残りの4割は投資側にまわる。こういった仕組になれば日本のベンチャーもそこそこうまくいくと思うんです。

和智SIPではどういった企業へのサポートをされているのでしょうか。

齋藤ベンチャーキャピタルであるからには、やはり伸びる事業に投資をします。そういうわけで現在は「アジアパシフィックへのクロスボーダー展開をサポートするベンチャーキャピタル」といったスローガンを標榜しています。というのも、日本国内だけでやっている企業さんというのは成長率が弱いんですね。伸びている会社はサムスンと提携していたりとか、台湾やシンガポールの企業とやっていたりとかしている。自分たちの商材を海外に持って行ける会社の方が強いんです。とくにアメリカが弱い半導体などのハードウェア関連のビジネスなどはアジアの方がずっとチャンスがありますね。

和智「食」関連の投資もされているそうですが、「食」ではどんなことをされていますか。

齋藤今は熊本でベビーリーフを栽培している会社に役員として関わっています。普通の農家さんではなかなかできないこと、たとえば、土の硝酸性窒素の値を計ったり、毎日刈り取られる生産物にポリフェノールや亜鉛や鉄がどの程度含有されているかなどをチェックしたりと、数値データに基づく農業を進めて生産効率を上げています。おかげさまで3年前と比べると生産量は2倍に拡大しました。こういう技術を商社と組んで海外に持っていく。そしてSIPがハンズオンで企業を成長させてベンチャーキャピタルとしての自分たちも他のベンチャーキャピタルとの差別化をはかる。この先は海外のベンチャーキャピタルに投資している投資家たちからお金を集めることのできる会社にしたいんです。そういったときに頼りになるのがMITにいた頃のつながりですね。最近役員に入ってもらったアメリカ人の同級生は、ファンドの運営についてはプロです。これも海外の投資家から投資を呼び込みたいと考えてのことです。

和智齋藤さんご自身は常時どれくらいの案件を抱えていらっしゃるのですか。

齋藤会社としては10数社と関わっていて、私自身は可能性のある案件は常に7つか8つ持っています。ファンドのネタとしては、半導体だったり、インターネットだったり、マグロの養殖だったり、おもしろそうなものはたくさんあります。今は沖縄を舞台にして新しいサッカービジネスはできないかと考えているところです。ヨーロッパ人の指導者を招いて、アジア中から呼んだ選手を英才教育し、それを世界中にファンが何億人もいるようなヨーロッパのクラブチームに連れていくとか。こういうことを考えるのが好きなんですよね。最近はクールジャパンの切り口で何かできないかと『ワンピース』を見たりしています(笑)。

ベンチャー企業の経営者はビジョナリーであること

齋藤さんインタビューの様子

和智SIPのベンチャー投資の基本は「ハンズオン」。相手と一緒に汗をかくといったやり方なんですね。

齋藤ベンチャーって、どの会社も社長さんが1人でやっているという感じなんですよね。1人で動いて、1人で悩んで。それが一緒にやると「2人」になるんです。とくに本当に入り込んで役員までやると二輪で回す感じになる。その社長さんは半導体出身だったり、ロボット出身だったり、インターネット出身だったりと、自分の分野にはすごく詳しい。だけどファイナンスを使ったストラクチャーとか、海外とどう提携を結ぶかといったことには弱い。そういった部分は全部僕がやる。こんなふうに役割分担をしています。

和智投資先の企業を選定するのに基準としているものはありますか。

齋藤まずはビジョナリーであることですね。やろうとしていることが世の中の大きな流れの中でどう広がって、それによって次の時代がどういう世界になるのか、そういうビジョンを持っているかどうか。2つめは、本当にそれを実現できるのかどうか。僕はアントレプレナーシップって「実現行動力」だと思っています。それと誠実さ。プラス「死なない」ことですね。いろいろ投資してきた中には失敗例というのもあります。そうなると、どんな人でも重く沈みこんでしまうんですよね。でも失敗したからといってそれで人生が終わるわけじゃない。とにかくサバイブしていけば、いずれ流れは変わる。僕もこうした仕事をしてきたおかげで、たとえば投資先の会社が清算となったとき、相手のケアも含めてギリギリの線までどうにか対応できるようになりました。

和智事業に失敗されてしまわれた方のフォローもされているということですね。

齋藤つきあったら一生です。その覚悟がないとベンチャーキャピタルはできません。もちろん、相手の希望にもよりますが、そういう方には別のベンチャーのナンバーツーやナンバースリーの立ち位置で次の「夢」に乗っかってもらったりしています。一度ベンチャーを経験すると、どうしてもそういう生き方になるんです。

和智ベンチャーというのは「夢」もあるかわりに非常にシビアな世界ですね。それでも志す人たちがいる。そこには何があるのでしょう。

齋藤たとえばこの20年をふりかえって、インターネットやiPhoneのおかげで世の中がどれだけ豊かになったか。自分が創造した何かが世界に広まって世の中が豊かになるって、楽しいしおもしろいんですよね。それがインターネット分野でもメディカル分野でも、イノベーションってそういうものだと思います。

イノベーションマネーがちゃんと流れる日本にしたい

和智齋藤さんはビジネスの一方で2011年までデジタルハリウッド大学大学院で教鞭をとられていましたよね。

齋藤デジタルハリウッドでは「通信と放送の融合」をテーマにデジタルコンバージェンスを教えたり、ベンチャーキャピタルビジネス論を担当していました。ベンチャーをやりたいという人には個別指導までしていました。教育には今も関わっていて、つい先日も母校の開成高校のOBたちで「グローバル開成会」という会を設立しました。最近は開成の生徒の中にもアメリカの大学に直接入る子たちが出てきたので、彼らの「夢」をサポートしようじゃないかとOB同士でつながることになったんです。私事で恐縮なんですが、うちの娘と息子も今はアメリカで学んでいるんですよ。娘はファッション業界に入ろうと勉強中で、リベラルアーツ・カレッジにいる息子はインターナショナルスチューデントの混成チームでサッカーをやっています。一生深いつきあいをすることになる仲間が世界中にできるのですから羨ましいですよね。自分がMBA留学をしていたときにあんなに小さかった子どもたちが今ではアメリカで学んでいる。そう思うと感慨深いものがあります。

和智齋藤さんご自身の「夢」についてお聞かせ願えますか。

齋藤「夢」は、日本のイノベーションマネーをちゃんと流れるようにする、その仕組をつくりあげたい。これに尽きますね。アメリカではナスダックに上場するのに売上が1,000億円くらいになるまでは待つんです。一方、日本では20億円か30億円になると公開できてしまう。ところが機関投資家は300億円くらいじゃないと投資してきません。だから株価が上がらない。これはいずれ300億円になるんだというシナリオが見えれば別ですがその戦略もない。

和智その戦略を追求されているわけですよね。

齋藤それにはファイナンスからテクノロジー、セールスまで全部わかっていないとできないんですが、すべて理解している人は本当に少ない。僕はそればかり考えているからなんとか本(『イノベーション・エコシステムと新成長戦略』)を書けるようになりました。こうした知識は最後はみんなにシェアしたいですね。そうすればベンチャーキャピタルで自立できる人はもっと増えるし、日本のベンチャーは活気づくようになる。新しいビジネスをつくって海外で売っていく。それはエクイティじゃないと無理だと思うんです。そのエクイティを会社に流す仕組が未整備なのが日本。アメリカはどうしたかというと、年金のお金をベンチャーキャピタルに流しこみ、結果グーグルやフェイスブックのような世界を引っ張る巨大な企業が生まれた。そうした中でグーグルは病院を買収したりして、メディカル関連をやっているわけです。今の日本だとそういう世界を志向しているのは孫さんか三木谷さんくらい。こういう会社が20倍くらいあると日本も元気になるかなと思います。僕の役割はその仕組みを築いてある程度動かせるようになったら、自分よりも10歳若いベンチャーキャピタリストをつくることですね。今はそこをゴールに努力しています。

和智本日は長い時間ありがとうございました。

齋藤さんインタビューの様子

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齋藤 茂樹 氏

エスアイピー・フィナンシャル・グループ株式会社 代表取締役社長
1961年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。85年、NTTに民営化第一期生として入社。大手企業向け通信ネットワークの販売・構築・料金・サービス契約約款のデザイン、認可事業等を担当。 94年、同社退職。97年、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)スローンスクールにてハイテクベンチャーの経営を学びMBA取得。その後、米国ネットスケープコミュニケーションズを経て株式会社デジタルガレージへ。同社にて代表取締役として大企業とともに新規事業を立ち上げる手法「スポンサード・インキュベーション」を開発する。 2004年より2011年までデジタルハリウッド大学大学院教授。デジタルコンバージェンス論及びベンチャーキャピタル論で教壇に立つ。2008年、エスアイピー・フィナンシャル・グループ株式会社代表取締役社長に就任。現在はハイテクを中心にメディア、クリーンテック、アグリ、ロボティックスなど新イノベーションを分野を含めて、投資先企業とのビジネス・クリエーションを進めるハンズオン投資を実践中。著書に『イノベーション・エコシステムと新成長戦略』(丸善出版)、『デジタル・コンバージェンスの衝撃~通信と放送の融合で何が変わるのか』(日経BP企画)等がある。日本ベンチャーキャピタル協会理事。日本ベンチャー学会会員。

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