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2018 Dec.21
SURUGA Cycle Journal Vol.32

【連載】自転車と共にある家 / 静岡県浜松市在住 渡辺氏
CASE06 “天竜”の中で生きる

【連載】自転車と共にある家 / 静岡県浜松市在住 渡辺氏

自転車と共に生活している人は、どのような家にお住まいなのでしょうか?“自転車を楽しむための家”で暮らしているサイクリストのご自宅を取材させていただく企画の第6回は、静岡県浜松市にお住まいの渡辺氏にお話を伺いました。

北遠に生まれ、北遠に育ち、そして北遠を走る。

北遠とは静岡の西側にある浜名湖の北側、天竜地区のこと。緑生い茂る大自然とその中を流れる天竜川の流域。この天竜地区一円をホームコースとするサイクリスト、渡辺氏が今回の主役だ。

普段の週末に、ディープにライドを楽しむだけではなく、SNSの「#ridetenryu」で、この地域のサイクリング情報を発信するなど、この地域に対しての“熱量の大きさ”は、周囲の人ならずとも多くの人が知るところ。この地域を愛し「天竜の良さを広めたい」という思いがその熱を生み出す原動力になっているのだろう。

多忙を極める仕事の合間をみては天竜の自然の中を巡り、それがまた次の熱を生み出していく。

「これまで北関東から中国地方まで地元サイクリストと数々の名所を走ってきたのですが、この地域(浜松市内)も同じぐらい魅力があるのに気がつきました。特に、天竜地区を走っているのが一番気持ちいいですね。環境がいいのはもちろんなのですが、それ以上に良い“気”が充満している。そんな感じがするだけかもしれませんが、確実に元気になります」

北遠の地は彼のエネルギーを充電させる源なのだ。

地元の木材を使った家造り

もちろん、それは家造りにもしっかりと生かされている。常にそのエネルギーが得られるように、天竜の杉を使って自宅を建設。まさに天竜に囲まれた生活を送っている。

しかし自転車やクルマには並々ならぬこだわりを持つ彼ではあるが、意外にも家を建てるということに対してはあまりこだわりがなく、信頼できる建築士に一任したという。

「自分の中にこだわりがなかった分、建築士にはかなりこだわりました。自分の資質として、何かを選ぶことは得意だけど、造ることは難しいと思っていました。自転車やクルマがどれだけ好きか、というお話はさせていただきましたが(笑)。お任せで家を建ててもらいましたが、それが良かったのか、出来上がりにはすごく満足しています」

デザインを担当したのは、天竜杉を使った家造りに定評がある「番匠」の眞瀬さん。建物そのものだけではなく、建てる場所についてもプロデュースしてもらったという。「住んでいると気が付かない」と渡辺氏は語るが、建ててから7年たつ今も、気分を落ち着かせるような天竜杉の香りが家中、漂う。


有限会社番匠の眞瀬さん。素材には地元の天竜杉をふんだんに使って家造りを行なう。
天竜杉の伐採前には現地で見て、触って、厳選、吟味して使用する材料を決定。
渡辺氏の影響もあって、眞瀬さんも自転車に乗り始めたそうです。

天竜杉の自然な風合いを生かすため、木目はそのまま。階段、壁などのデザインはシンプルに仕上げられているが、木目がアクセントになっているので、殺風景な印象は全くない。また梁を残して見せるような構造になっていることで、吹き抜け空間のような広く明るい空間になっている。


駐車場と玄関アプローチを緩やかな曲線で分けている。

玄関横には子供の自転車スペースも。渡辺氏のお気に入りのスペースの一つ。

地元の天竜杉をふんだんに使った室内。

居間から見える庭の景色。その先には愛車が並ぶ。

自転車は乗ってこそ生かせるモノ

その室内に木目とともにアクセントになっているのが3台のロードバイクだ。普段、どれも愛用しているものではあるが、中でも目を引くのがひときわ華やかなカラーリングのシクロクロスバイク。イメージしたのはル・マンにも出場したアンディ・ウォーホルがペイントしたBMWだという。

六本木ヒルズで開催されたアンディ・ウォーホル展で見たこのデザインに魅せられて、都内にある「盆栽自転車店」にプロデュースをしてもらい、ペイントは自転車専門のカスタムペイントショップ「COOK PAINT WORKS」が担当したという。

「出来上がった愛車をみて、自分が思い描いたものからはるかに超えた出来栄えで驚いたほど。何より、関わった職人さん達が楽しかったと言ってくれた事が嬉しかった」と渡辺氏。

一般的にはこのようなペイントなどに趣向を凝らした自転車は、飾られてしまうことが多いのだが、渡辺氏はこの自転車でレースにも出場するし、地元天竜でグラベルライドも楽しんでいるという。シクロクロスバイクなので当然レース後は泥まみれだが、いつも新品同様にメンテナンスして部屋に置かれている。

「しっかり使われて、整備(手入れ)の行き届いたものが好き。自転車とともにエイジングを重ねることを楽しんでいます」という渡辺氏の自転車に対しての考え方が伝わってくるエピソードだ。


ウォーホルがペイントしたクルマのデザインを参考に、バイクのペイントを特注。

毎年参加している「Raphaスーパークロス野辺山」には毎年、妻、2人の子供を必ず帯同。「レースは、本当にきつくて大変。まさに自分との闘いです」というが、参加できるのは家族の応援があればこそ。


毎年過酷なレースに参戦。(上)2018年(下)2016年

Raphaスーパークロス野辺山は家族連れが多く、出展ブースが多数並ぶ会場はお祭りのように華やかで家族とともにレースを楽しむことができる。家族のコミュニケーションは自転車を通じて行なうことも、サイクリストにとって理想的な家族のあり方がそこにはあった。

サイクルウェア、ボトルのコレクション

“ウォーホルのシクロクロスバイク”でも分かるとおり、自転車には相当なこだわりをもつ渡辺氏。理解に少し苦しむほど。自宅には自転車の他にもこだわりのコレクションが多数ある。サイクルウェア、サイクルキャップ、ソックス、サングラス、ボトル類だ。

サイクルウェアやキャップなどのウェア類に関してはコーディネートを考えているうちに自然に増え、ボトルに関してはデザイン的に面白いものをあつめていたらこの数に。自転車に乗るだけではなく、小物類のコレクションがどんどん増えていくようだが、これらは家族の共有スペースに飾られている訳ではなく、整然と棚や引き出しに収納されている。普通だったら奥さまの理解も得られぬほどの数だが、奥さまは渡辺氏の趣味をとても理解していて、同じように奥さまご自身も毎日の生活をエンジョイしているご様子。

始終、静かに夫の会話を楽しんでいる奥さまの姿はとても美しく、理想的な夫婦像の一つに感じた一面だった。


サイクリングウェアも私服と同様装いを大事にしており、ヘルメットとシューズは濃淡で用意。

大切にしているのは天竜がある生活

天竜に惚れ込み、そこを走ることに極上の喜びを感じている彼ではあるが、この地以外に走りたい場所は、と尋ねてみた。

「九州の阿蘇を走ってみたいですね。雄大な自然に惹かれて。木々の中を思い切り走りたい。それからGIRO(アメリカのサイクリングウェアなどを手掛けるブランド)が主催している、GRINDURO(GRINDUROとは、オフロードを長距離走るライドイベントでアメリカカリフォルニア州などで開催されている)には、いつか参加してみたい。でも一番は、天竜地区をもっと多くのサイクリストに知ってもらい、天竜地区を気に入ってくれるサイクリストとともに天竜を走り続けたい。」

自転車で走ってみたい先にも理由があり、こだわりがあるように感じた。

「何事に対してもこだわりと美意識を高く持つことを大切にしていきたいです。」

自転車、ウェアにこだわり、さらには天竜にもこだわる。

自転車とともに生活する彼が大切にしているのは、やはり北遠。それが彼に最も力を与えてくれる場所だからだ。


自転車:Independent Fabrication(インディペンデントファブリケーション)
盆栽自転車店で購入。アンディ・ウォーホルのデザインのアートカーをモチーフにペイント。
ピュアレーシングマシーンを狙ってボトルゲージの穴を開けていないところも渡辺氏のこだわりが伝わってくる。

自転車:SPEEDVAGEN(スピードヴァーゲン)
アメリカ・ポートランドを代表するハンドメイドバイクブランド。
フレームに入っている「SPEEDVAGEN」の文字は前から後ろに向かって、
シルバーからネイビーにグラデーションされている。
サドルにもこだわりがあり、フィジークのアンタレスをBusyman Bicyclesでカスタム、
エンボスとパンチングでSPEEDVAGENのサプライズミーのデザインを再現。
SPEEDVAGENは人気で現在注文してから出来上がりまで約1年もかかるとのこと。

自転車:CANNONDALE (キャノンデール)
開発に関わったアメリカのシクロクロスレジェンドのティム・ジョンソンのPVを見て一目惚れをして購入。
通勤とグラベルライド用に使っている。傷のつきやすいダウンチューブには保護を兼ねてステッカーチューンを。

Information 1

天竜杉を使った注文住宅設計施工会社。

盆栽自転車店

COOK PAINT WORKS

Raphaスーパークロス野辺山

Information 2

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