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2019 Feb.15
SURUGA Cycle Journal Vol.34

伊豆一周サイクリング“伊豆いち”を支えた
伊豆急の「伊豆いちオフィシャルトレイン」

伊豆一周サイクリング“伊豆いち”を支えた伊豆急の「伊豆いちオフィシャルトレイン」

サイクリストは“どこかを一周する”のが好きな人種とも言える。往復ではなく、一周。理由はいろいろあるだろうが、スタート地点にワンウェイで別のルートから戻ってくる達成感、走り終わった後、GPSの軌跡がきれいな円を描いているのが好き、というサイクリストの話を聞いたこともある。

ともあれ琵琶湖一周、淡路島一周はそれぞれ「びわいち」、「あわいち」、静岡県内でいうと浜名湖一周を「はまいち」と呼び、これらはすべてサイクリストが憧れる「〇〇いち」になっている。静岡県内にはもうひとつ走りたくなる一周サイクリングがある。それが「伊豆いち」である。その名のとおり、これは伊豆を一周するいち。島とも湖とも違い、舞台は伊豆半島。それがゆえに、海も山も峠も、川も秘境もまるごと体感できる。こんなコースは全国的にみてもかなり珍しい。

「ツール・ド・ニッポンシリーズ」として開催、
夢は日本「いち」のイベント

サイクリングイベントとしての伊豆いちは、今回で5回目。多くのサイクリストと一緒に走る一体感、充実したエイドステーションなどイベントならではの楽しみ方が多く用意されている。2018年から、より多くのサイクリストに伊豆いちを体験してもらいたいという願いのもと、国内各地で年15回以上のサイクリングイベントを開催する「ツール・ド・ニッポンシリーズ」に加わった。

一周した場合の走行距離は210km、獲得標高は3180m。このタフなコースを2日かけてぐるりと一周する。このイベントの面白いところは、スタート地点が4つの中から選べるショットガンスタート。「自宅から近いところでスタートして、帰りもスムーズに」とか「初日にキツい上りを終わらせて、2日目はのんびり走りたい」「下田の観光を楽しみたかったので、1日目のゴールが下田のコースを選んだ」など、サイクリストそれぞれの希望に合わせてルートを選ぶことができる。またこのほか、気軽に伊豆を楽しみたい人のために1日だけのワンウェイコースも準備された。

ワンウェイコースは伊豆高原駅をスタートに、伊豆急行(以下、伊豆急)に乗って伊豆急下田駅まで行き伊豆高原駅まで自転車で戻る「下田50kmコース」と、同様に河津駅から伊豆高原駅まで自転車で戻る「河津30kmコース」の2コース。このワンウェイコースのために、伊豆急が大会専用「伊豆いちオフィシャルトレイン」を特別に用意してくれた。

「ノリの良さ」の裏側で常にサービスを熟考する会社 伊豆急

2018年から伊豆いちはツール・ド・ニッポンシリーズとして規模を拡大して開催した。企画段階では、主催者である美しい伊豆創造センターによる検討会議が複数回行なわれ、その会議には、同センターの会員企業である伊豆急の自転車プロジェクトチーム責任者の平澤さんが、また、同センターの自転車事業のアドバイザーとしてスルガ銀行サイクリングプロジェクトから深田が出席していた。

2回目の会議後に、深田が平澤さんに「今回、大会の規模が大きくなるので、大会オフィシャルトレインとか走らせちゃったらカッコいいですよね。」と冗談っぽく言ったのがきっかけだった。平澤さんは即座に「お、いいね、やるやる。」と。あっさり大会オフィシャルトレインが誕生した。

とは言うものの、臨時列車を走らせるのはそう簡単ではない。自転車の積み方、ダイヤの調整、運行人員、もちろん採算性と、クリアすべき課題は少なくないはずだ。それを感じさせない平澤さんのノリに、「伊豆急さんてスゴイ会社だな」と深田は思った。

すべては「お客さまに楽しんでいただきたい」という気持ちから

そもそも伊豆急と自転車のつながりは深い。2017年の6月からサイクルトレインの運行を始め、さらに伊豆高原駅では電動アシスト自転車「伊豆ぽた」のレンタサイクル事業もスタート。アップダウンが多い伊豆の地形を考慮してスポーツタイプも用意するなど、幅広いユーザーを対象にした自転車のラインナップは多くの観光客から好評を得ている。

そのベースになっているのは、伊豆急の企業風土があるという。生活の足となる一般的な鉄道会社と比較し、伊豆急は観光客の利用が多い鉄道。「お客さまに楽しんでいただきたい」という企業風土が根底にあるという。リゾート21黒船電車やキンメ電車、ザ・ロイヤルエクスプレスなど、伊豆急ならではの列車(サービス)も、この企業風土が起源となって誕生している。

横浜から下田を結びラグジュアリーな旅にいざなう「ザ・ロイヤルエクスプレス」
横浜から下田を結びラグジュアリーな旅にいざなう「ザ・ロイヤルエクスプレス」
伊豆急の代名詞的列車であるリゾート21。ちなみに愛称は「黒船」。
伊豆急の代名詞的列車であるリゾート21。ちなみに愛称は「黒船」。

大会当日だけの臨時列車
社員のアイディアとサービス精神で特別感を演出

伊豆急は、通常ダイヤの中でも自転車をそのまま持ち込めるサイクルトレインを運行している。通常は1つの車両につき自転車を最大6台まで積載でき、サイクリストが気軽に利用できるようになっている。しかし今回はイベント専用のサイクルトレイン。ワンウェイコース「下田50kmコース」「河津30kmコース」の参加者分、最大80台の自転車を載せられるように準備が進められた。

「伊豆いちオフィシャルトレイン」は6両編成という太っ腹な決定。イベント1か月前、伊豆急の社内では自転車の積載方法が検討されていた。「複数の部署からアイディアが上がってきたので、サイクリスト目線で見て欲しい。」という平澤さんからの連絡を受け、スルガ銀行の深田は伊豆高原駅の車両整備工場に足を運んだ。実際に使用する8000系の車両に乗り込み、各部署から寄せられた積載方法のアイディアを実際に試してみた。


8000系車両

どのアイディアも意外性があったが、その中でも最もインパクトがあったのは、吊革に自転車を吊るす方法だった。インパクトはあるが不安定なこの方法、なぜこの方法に行きついたかというと、「フォトジェニックだから」だった。これもお客さまに「非日常を感じていただき、記念に残るよう。」との思いからだった。深田は良い意味で「もはやエンターテイメントの会社のようだ。」と思った。積載方法は鉄道事業者にとって最優先である「安全・安心」の観点から再考し、手すりのポールから自転車の前後に紐で結ぶというシンプルな方法が採択された。


自転車とサイクリストは別に乗る方法を採用。
車両を汚さないようにビニールシートを敷き、手すりなどと自転車を紐で結ぶ案が採用された。

伊豆急のエンターテイメントはここで終わらなかった。その場で観光推進部の木田さんが、「お客さまに記念品を差し上げたい」と言い出した。すぐにその場にいた平澤さんたちからいくつかのアイディアが出てきた。中には実現性が薄い冗談ぽいアイディアも。でも、そんなアイディア出しが楽しくて仕方ないようだ。所属や役職に関係なく、「わいわいがやがや」意見を言い合える環境が伊豆急の強みだ。

「鉄っちゃん」が喜ぶ非売品を制作
大会アンバサダーによる車内イベントも開催

イベント当日、伊豆いちオフィシャルトレインでは、大会アンバサダーから「記念缶バッジ」と「スタッフ(乗務行路表)」レプリカが乗車記念品として配られた。どちらの品も、伊豆急社員による手作りだ。鉄道会社が配布する非売品は、鉄道マニア(鉄っちゃん)の間では非常に人気が出るらしい。大会アンバサダーの田代恭崇さんから、「みなさんオークションに出品しないでくださいねー」と冗談も飛び出し、車内は笑いに包まれた。

いよいよ発車の時間、ホームには伊豆急社員のみなさんがお見送りに出てきていた。偉い方まで出てきて手を振っている。まるでお客さまをお見送りする旅館のようだ。温かすぎるサービスに、車内のサイクリストからは「スゴイ」という声が。ここまでする鉄道会社があるだろうか。おかげですっかり雰囲気が温まった社内では、平澤さんのリードによる大会アンバサダーのトークイベントが盛り上がり、乗車されたみなさんは幸せな30分を過ごした。

伊豆半島の観光を盛り上げたい

今回の伊豆いちで伊豆急グループは、伊豆いちオフィシャルトレインの運行、イベントメイン会場、イベント本部として伊豆高原駅を開放、イベントオフィシャルホテルの運営など多方面でイベントに協力。自転車に対しての熱量はかなり高い。それも“伊豆半島一周”を日本一の「いち」にするためだ。

伊豆急の平澤さん曰く、「今回、伊豆いちを通じて、多くのサイクリストに自転車による伊豆半島の観光を体験してもらえた。通常、観光客が目的地にきて、宿や食事が決まっていても、その他の目的(やる事)が決まっていないパターンが7割を占める。空いた時間が1時間なのか、1日なのか。空いた時間を埋めるコンテンツの1つが自転車であってもよい。我々は地元の鉄道会社として、観光物件、自然、食、歴史や風習など伊豆にある観光資源に精通し、また地域と協同して観光地域作りを行なっていく役割がある。自転車を通じて観光客と伊豆の観光資源を自然な流れでつなぎ、伊豆半島の観光が充実してくれば大変うれしい。」

鉄道を使い、自転車に乗り、自然を楽しむ。
伊豆急が取り組む、非日常体験を楽しみたいライダーは伊豆を訪れてみては?


河津駅での下車もスムーズに。
自転車と一緒にサイクルトレインに乗り込む。普段の生活ではなかなか味わえない非日常的な体験。

Information 1

伊豆急行株式会社

美しい伊豆創造センター

ツール・ド・ニッポン

Information 2

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